崎村宙央
Sorao Sakimura
Profile

 2001年生まれ。映像作家、アニメーション作家。高校在学中に短編アニメーションを手探りで制作したことをきっかけに、映像作品の制作を始める。手描きアニメーション・3DCG・実写撮影をすべて独学で学び、それらを複雑に組み合わせた独自のワークフローにより、自身の頭の中にある感覚や残像をユニークな映像として表現している。
 2019年に制作した短編アニメーション『蝉の声、風のてざわり』は、「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2020」にてグランプリを受賞、「22nd DigiCon6 JAPAN」にてYouth Goldを受賞、「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2020 U-25 プロジェクト」にノミネートされるなど高い評価を受けた。また、2021年2月にはAppleのPR「Macの向こうから」に採用された。
 その後、2021年4月にはNHK「沼にハマってきいてみた」に出演。
 2021年6月にはアニメーション制作に参加した大塚製薬 カロリーメイトの WebCMが公開。YouTubeにて総再生回数が1000万回を超える大反響となる。
 2022年7月には新作短編アニメーション『The Swamp (All That I Can't Leave Behind)』を発表。「2022 アジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA」 にて学生カテゴリー / 動画部門 優秀賞を受賞、「恵比寿映像祭2023」へ出展されるなど、評価される。
 現在は、九州大学芸術工学部メディアデザインコースに在学しながら、映像作家、アニメーション作家としての活動を加速させている。映像監督志望。

 己の中に沈み込み、苦しみと共に拾って来た石が、ある瞬間に自我を持ち、自分とは違う存在となる。そして、自分を掬い上げ、まるで想像もしていなかった所へと連れていってくれる——
 コロナ禍の大学生活、評価された過去作からの重圧、生きづらさ。息のできないような苦しみや、絶え間のない焦燥、何もできなくなった時間。それらに苛まれながらも、ここまで歩いてくることができたのは、他でもなく、過去につくった作品たちと、それらが結びつけてくれた人々との対話のおかげだ。本作は、自分が創作を続けていく中で見てきた光景や残像と、そしてお礼を、伝えるための作品である。
 2022年10月に発表した短編アニメーション『The Swamp (All That I Can't Leave Behind)』は、自身にとって創作とは何かを表す作品になったと同時に、これから歩いていくための覚書のような作品となった。「2022 アジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA」 にて学生カテゴリー / 動画部門 優秀賞を受賞、「第5回フェローズフィルムフェスティバル学生部門」にてCG・アニメーション部門 優秀賞を受賞、「恵比寿映像祭2023」へ出展されるなど、評価されている。

2022 アジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA 学生カテゴリー / 動画部門 優秀賞,第5回フェローズフィルムフェスティバル学生部門 CG・アニメーション部門 優秀賞,恵比寿映像祭 2023 出展,24th DigiCon6 JAPAN コンペイン,8th CONTACT International Student Film Festival ノミネート(2023年3月現在)

 2019年、高校2年時に制作した、短編アニメーション作品「蝉の声、風のてざわり」は、自分にとってアイコニックな作品の一つとなった。
 授業をさぼり、ふと学校の踊り場に寝転がる青年。鳴り続ける蝉の声。日々の雁字搦めから逃げても、刻一刻と詰め寄って来る現実—— これは、身の周りの環境との間に不和を抱える自分自身の、心に渦巻くぐしゃぐしゃを文字通り『叫ぶ』作品だ。
 自分自身の等身大の葛藤と衝動を、手描き作画・3DCG・実写を交えて独自の表現で描いた本作は、WIRED CREATIVE HACK AWARD 2020 にてグランプリ、22nd DigiCon6 JAPAN にて Youth Gold を受賞、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020 U-25 プロジェクトにノミネートされるなど高い評価を受けた。また、2021年2月にはAppleのPR「Macの向こうから」に採用された。

WIRED CREATIVE HACK AWARD 2020 グランプリ受賞,22nd DigiCon6 JAPAN Youth Gold受賞,ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020 U-25 プロジェクト ノミネート,つくばショートムービーコンペティション2020 ワコムスチューデント賞,朝日新聞主催 なかまぁる Short Film Contest 2020 ノミネート,第46回 宮崎県美術展 特選、第44回 全国高等学校総合文化祭高知大会 2020 こうち総文 推薦,第41回 宮崎県高等学校総合文化祭 特選.

 2021年7月に公開された、大塚製薬 カロリーメイトのWeb CM「夏がはじまる。」にて、柔道部パートのアニメーション制作を担当した。駆け出しのアニメーション作家であるにも関わらず、名だたるアニメーション作家の皆様と並んで抜擢していただき、期待に応えられるよう、最大の熱量で取り組んだアニメーションになっている。
 実写素材をもとに制作した3DCGをベースに、一枚一枚鉛筆で手書きをした作画を行っている。鉛筆の荒いタッチを強調することで、勢いが伝わってくるように意識した。そんな作画を重ね、その上から厚いコンポジションをかけることで、熱気のこもった、迫力のあるシークエンスに仕上がった。
 本Web CMは、バランス栄養食「カロリーメイト」で部活に打ち込む学生の毎日を支えたい、という思いから、夏の大会を控える部活生たちに向けたモチベーションムービであり、それぞれの部活を異なるアニメーション作家が担当するという、ユニークなCMとなっている。Twitterでは3万いいね、YouTubeでは1000万回を超える総再生回数を獲得し、10代を中心に熱狂的な支持を得た。また、 YouTube Works Awards Japan 2022 では Creative Effectiveness 部門を受賞し、YouTubeにおける広告案件としても高い評価を受けている。

広告主:大塚製薬,ブランド:カロリーメイト,広告会社:博報堂,制作会社:AOI Pro.

Reconnect to Metro Mew

Jan. 2023
Client Work

 2023年1月に公開された、バーチャル・シンガーであるメトロミューのリブートトレーラー『Reconnect to Metro Mew』の映像を企画・監督・制作した。
 トレーラーは、満天の星空から始まる。カメラがパンすると、大きな惑星が見え、遠くから小さな宇宙船 Eclair Drive が近づいてくる。カメラは Eclair Drive の中に入っていき、キーボードやホログラムを通過し終えると、ついに、メトロミューが映し出される。カメラはメトロミューにどんどん近づいていき、ついに彼女が目をあける。その一連の流れをワンカットで描くことで、見る人に感動とメトロミューとのつながりを実感してもらうことを意識した。
 監督としては、絵コンテ、コンセプトアート、アニメーション、コンポジットに至るまで、チームの緊密な連携と合意、そして方向性の明確化が最も重要なポイントになった。反省点は多々あるが、制作期間を全力で駆け抜け、クオリティの高い映像として完成させることができたことは、今後の活動にも大きく影響する貴重な体験となった。

クライアント:GBXD ©︎2023 GBXD.

get along with

coming soon...
Personal Work

coming soon...

 OURSONG主催の作画王グランプリに向けて制作した、ループ・アニメーション。
 ローファイ・ヒップホップ音楽というテーマに向き合い、80年代のニューヨークのビルの階段を、ヘッドフォンをかけた青年が永遠に降り続けていくというコンセプトを考え、ループ・アニメーションとして表現した。3DCGと作画によるアニメーションを高度に融合させ、密度の高い空間を生み出している。また、コンセプトアートの段階から絵としての完成系をイメージし、紫色と黄色を基調としたムーディーなルックとして完成することができた。
 コンセプトからルックデヴ、コンポジションまで、今までにない表現に果敢に挑戦することができ、自身の次のステップを示す作品となっている。

OURSONG主催 作画王グランプリ 準グランプリ 受賞

Flowers in the Sky

Jan. 2023
Personal Work

 2023年1月に開催された「夢ノ結唱×作画王グランプリ コラボコンテスト」に向けて制作されたアニメーションPV。
 曲調に合わせて、彩度の低い画面が一転し、真っ青な空の中に放り出されるところが見所。背景とライティングを3Dベースで行い、その中に作画を配置するユニークな制作手法をとることによって、リアリスティックな空中の表現と感情豊かな人物表現を両立させた。

No Glass, No World!

Dec. 2022
Personal Work

 国際ガラス年日本実行委員会が主催する「ガラスの無い世界ある世界コンテスト」に向けて制作したアニメーションPV。動画部門 優秀賞を受賞し、2022年12月に開催された国際ガラス年2022閉会式にて表彰式が執り行われた。
 工業製品として技術の進化に貢献し、私たちのよりよい生活に寄り添っているというガラスの姿を、アニメーションとし描いている。ガラスのリアリスティックな質感を表現するために3DCGを、ガラスの温かみを表現するために手書きの作画を用い、それらを違和感のない形で組み合わせている。PVの最後にはガラス細工の地球が映し出され、ガラスが人々を繋ぎ、世界を繋いでいるということを示している。

ガラスの無い世界ある世界コンテスト 動画部門 優秀賞

 2019年3月、高校1年時に、高校の先輩方の卒業に併せて制作した短編アニメーション作品。人生の一つの出発点である卒業式にむけて、様々な感情が渦めく春という季節に焦点を当て、その空気感や雰囲気を透明感あふれるアニメーションで描き出した。
​ 本作では、背景に3DCGを積極的に採用し、また、カメラやフィルムを意識したコンポジションを多用することで、春という季節の持つ独特の空気感を表現しようと試みた。作画と3Dワーク、そしてそれらを映像的にどうコンポジットするのかについて興味を持つきっかけになった作品でもある。

DHU U-18アーティストコンテスト 2019 Grand Prize・映像部門 First Prize 受賞全国大学動画アワード2019 審査員特別賞 受賞

廻廊 The Corridor

Mar. 2019
Personal Work

 2018年12月、高校1年時に初めて制作した短編アニメーション。
 苦しみの中で光を求め、歩き続ける少年を、3DCGと手描きのアニメーションを用いて繊細に表現した。

第45回宮崎県美術展 映像部門 準特選

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